運転資金とは!?意味から計算方法、増加する原因までわかりやすく解説!

今回は運転資金について!

会社を運営していく上で

「運転資金が足りない、、、」

という事態になった会社をよく聞きますよね!?

でも、

「なんとなくわかっているけど、そんなによく理解していない」

という方が多いのではないでしょうか?

今回は運転資金について

  • 運転資金っていったい何?
  • どう計算すれば出せるの?
  • 運転資金が増える原因は?

このような疑問を解消しながら、運転資金について詳しく解説します!

そもそも運転資金って?

運転資金とは、事業を行う上で必要な立替金のことです。

会社を経営していく中で、商品を仕入れ、在庫として抱える。

そして、チラシなどで宣伝して、その在庫商品を売ってお金を得る。

こういった流れがありますよね!?

運転資金はこのような会社の資金サイクルの中で必要なお金になります。

先ほどの流れを、お金の流れを中心に直してみると、

商品を仕入れて在庫として抱える
⇒商品を購入する費用でお金が必要

商品を売るために営業マンによる販売、チラシ等で宣伝する
⇒広告宣伝費用や人件費でお金が必要

商品を請求書払いで売る
⇒請求書払いの場合は売掛金なので、すぐに現金が入るのではなく、決まった入金期日までお金が入らない。なので在庫商品は減るけど、お金は必要なまま。

売掛金の期日になり、売上が入金される
⇒ここでお金が入ってきて、利益が上がる

こんな流れです。
※厳密には商品を仕入れてから取引先にお金を入金する前に買掛金もあるので実際にはもっと複雑です。

会社のお金の出ていくタイミングと入ってくるタイミングには結構大きなタイムラグがあります。

そのため、そのタイムラグを埋めなければなりません。

このために必要なお金=運転資金、なのです。

基本的には、商売は商品を売るために先にお金を使って、その後、それ以上のお金を売り上げることで利益を上げていきます。

商品を売るためには必要なお金が手元にないと、商品を仕入れたり、売るために宣伝することも出来ません。

その手元の資金が運転資金ということです。

運転資金の計算方法はどうなる??

では、運転資金の計算方法を確認しましょう!

ざっくりと運転資金を出すためのシンプルな計算式が以下になります。

運転資金=売上債権(売掛金・受取手形)+棚卸資産(在庫)ー仕入債務(買掛金・支払手形)

この式をしっかりと理解するためには、それぞれの意味を理解する必要があります。

売上債権とは?

売上債権とは、商品を売り上げた時に相手から現金を受け取らずに、決まった期日に代金を入金してもらう権利のこと。

一般的に会社間で、製品やサービスをやりとりするとき、現金を使うことは滅多にありませんよね?

売上債権はこのような会社間の取引でよく使われます。

この売上債権のメインは売掛金と受取手形が挙げられます。

売掛金

売掛金とは、商品の販売やサービスの提供をした際に、一定期間後に代金(現預金で)を回収する予定の未収入金のことです。

売ったけど、まだお金をもらっていない=売掛金考えてもらうと少しはわかりやすくなります。

受取手形

受取手形とは、売掛金と似ていますが、手形があるかどうかの違いです。

取引先企業から、

「いついつまでにお金を支払います。」

と約束されるだけでなく、その入金期日や名前を記入した手形を受け取ります。

お金を受け取る手形=受取手形って覚えておくといいと思います。

この手形があるとお金を受け取る側と支払う側が明確になり、法的な強制力を持ちます。

そのため、口約束である売掛金よりは安心の方法です。

棚卸資産とは?

棚卸資産とは要は、在庫のことです。

会社が将来、販売もしくは加工するために保有している製品・商品のことです。

主な棚卸資産に含まれるものは、製品や仕掛品、原材料などが挙げられます。

この棚卸資産は、商品が売れると現金もしくは売掛金に変わっていきます。

仕入債務とは?

仕入債務は売上債権の反対と考えましょう。

商品や材料を購入した時に、後日にその代金を支払う債務のこと。

メインは買掛金と支払手形です。

買掛金

売掛金の逆です。

商品や原材料を購入した時に、決まった期日に代金を払うものです。

買ったけどまだ払っていない=買掛金、と考えましょう。

支払手形

受取手形の逆です。

買掛金に手形があるかどうかの違いですね。

運転資金の計算の具体例

運転資金の計算式で使う用語は多少理解できたと思います。

具体的に計算しながら、より理解を深めていきましょう!

運転資金=売上債権(売掛金・受取手形)+棚卸資産(在庫)ー仕入債務(買掛金・支払手形)

この式の意味としては、

①商品を売り上げたけど、まだお金が入ってきていない代金分

②材料・商品を仕入れて保管しているので、その購入費用代金分
を加えて、
③材料・商品を購入したけどまだお金を払っていない代金分
を引きます。

これが事業を行う上で必要な立替金=運転資金となるのです。

例えば、
①売掛金:100万円
②在庫:300万円
③買掛金:150万円
の場合、運転資金は
運転資金=100+300-150=250万円となります。

このように混乱しかけてたら、簡単な数字を当て込んで考えてみましょう!

もちろん、業種によっては、商品を売り上げたら前受金としてもらうスタイルの会社など、運転資金の算出方法が異なる業種もあります。

小売業などは商品の代金をその場で払ってもらう業種は入金のタイミングのずれが小さいです。

そのため、運転資金が他よりも少なく済む業種もあります。

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運転資金が増加してしまう理由

同じ売上ならば、事業を行う上で必要な立替金は少ない方がいいです。

つまり、運転資金は出来れば少ない方がいい。

もちろん売り上げが増加すれば、売掛金が増えます。

それに応じて在庫も準備しておく必要があるので、運転資金は増加します。

売上の増加による運転資金の増加は仕方ないにしても、それ以外でも運転資金が増えて、資金繰りに苦しむ、ということがよく起こります。

運転資金が増加してしまう理由としては

  • 売上が増加する
  • 買掛金の支払いサイクルが短くなる
  • 売掛金の入金サイクルが長くなる
  • 在庫の中でもう売れない商品が増えた
  • 売掛金で回収不可能なものが発生した

このようなことが挙げられます。

見てみると、売り上げが増加する以外はネガティブなものばかりですね。

例えば、買掛金の支払サイクルが短くなるのは、要は

「もっと早く入金して」

ということです。

相手の会社の事情の可能性もありますが、自分の会社が取引先の会社からあまり信用されていないのが原因かもしれません。

また、売掛金で回収不可能なものが発生するというのも、取引先企業の経営安定性を見極めずに安易に取引をしてしまったことが原因かもしれません。

運転資金の増加にはネガティブな要因が隠れていることが多いので、その原因を明確にして対策を行っていきましょう。

そして、運転資金を減らすための努力と工夫をしていくことが必要です。

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