
商品やブランドのマーケティングに関わると、「配下率(はいかりつ)」という言葉を耳にすることがあります。
初めて聞いた方は
- 「配下ってなに?」
- 「どうやって調べるの?」
と疑問に思うかもしれません。
この記事では、配下率の基本的な意味から重要性、調べ方、さらには配下率に関するよくある疑問にも答えながら、初心者の方でも理解できるように丁寧に解説していきます。
目次
配下率とは?
配下率とは、「ある商品が全体のどれくらいの店舗で取り扱われているか」を示す割合のことです。
つまり「その商品がどれだけ市場に広く出回っているか」を数値化した指標です。
たとえば、全国に1000店舗あるコンビニチェーンのうち、800店舗で自社のお茶が売られていた場合、配下率は以下のように計算されます:
- 配下率(%)=(商品が販売されている店舗数 ÷ 全店舗数)× 100
- 例:配下率=(800 ÷ 1000)× 100 = 80%
この数値が高いほど、商品の「店頭での接点」が多く、売上につながるチャンスが大きいということになります。
なぜ配下率が重要なのか?
1. 商品の「見つけやすさ」を表す
どんなに良い商品でも、お客さんが目にしなければ買ってもらえません。
配下率が高い=多くの店舗で販売されている、ということは、それだけ多くの人の目に触れるチャンスがあるということです。
2. 市場への浸透度がわかる
新商品や新ブランドを展開する場合、「まずはどれだけの店舗に配下できたか?」をチェックすることで市場への浸透状況を把握できます。
3. 営業活動の効果測定に使える
営業チームがどれだけ多くの店舗に商品を置いてもらえたか、という成果を定量的に測れるのも配下率の利点です。
配下率はどうやって調べるの?
ここが多くの初心者が疑問に感じるポイントです。
配下率の算出には、「配下されている店舗数」と「対象となる全体の店舗数」が必要です。
方法1:自社の販売データから調べる
POS(販売時点情報管理)データや、出荷先情報から、商品を納品した店舗数をカウントすることで配下店舗数がわかります。
- メリット:詳細なデータが取れる
- デメリット:外部の取扱状況は見えない
方法2:流通・小売業のリサーチ会社のデータを利用
市場調査会社(インテージ、GfK、マクロミルなど)が提供するリテールパネルや棚調査データを使えば、競合商品の配下率や業界全体の傾向も把握できます。
- メリット:自社外の商品も含めた広範囲な情報を得られる
- デメリット:有料サービスであることが多い
方法3:店舗訪問やアンケートによる調査
営業担当者が実際に店舗を訪れ、商品が棚に並んでいるかを確認したり、店長にアンケートを取る方法です。
- メリット:リアルな現場の状況を把握可能
- デメリット:労力と時間がかかる
配下率に関するよくある疑問
Q1:配下率が高い=売れている、とは限らないの?
その通りです。
配下率は「取り扱い店舗の割合」なので、必ずしも「売上の多さ」や「人気の高さ」とは一致しません。
多くの店舗に並んでいても売れていない場合もあるし、逆に限られた店舗でも爆発的に売れているケースもあります。
Q2:どのくらいの配下率を目指せばいいの?
商品ジャンルや販売戦略によって目指す配下率は異なります。
一般的には70〜90%以上を目指すことが多いですが、ニッチな高価格帯商品などは、戦略的に20〜30%でも問題ないこともあります。
Q3:店舗数が多いチェーンに配下できれば配下率も一気に上がる?
はい、特定の大手チェーンに商品が採用されると、配下率は一気に跳ね上がります。
そのため、コンビニやドラッグストアなどの大規模小売業者との商談は非常に重要です。
配下率を高めるためには?
1. 営業活動を強化する
店舗バイヤーへのアプローチを強化し、商品導入の交渉を行います。
サンプル提供や販促支援も有効です。
2. 魅力的な商品・価格設計
取扱ってもらうには「売れそうな商品」であることが前提。
価格帯、パッケージ、話題性なども重要な要素です。
3. プロモーション施策
広告やSNSで話題を作ることで、「この商品置きたい!」と思わせる流れをつくるのも戦略のひとつです。
まとめ:配下率を理解することは売れる仕組みをつくる第一歩!
配下率は商品の市場浸透度を示す非常に重要なマーケティング指標です。
ただ「店に置いてもらう」だけでなく、どのようにして配下率を測定・改善していくかを理解することで売上アップへの道筋も見えてきます。
自社の商品が「どこに」「どれだけ」「どうやって」置かれているのか?
この問いに答える「配下率」は今後の商品戦略や営業活動を支える強力な武器になります。