今回は小売業について!
「小売業」という言葉はよく聞きますよね!?
ただ
「小売業を詳しく説明してくれ。」
って言われた時に説明出来ない人が意外と多いです。
そこで今回は
「小売業者ってどういうお店が当てはまるの?」
「卸売業との違いがよくわからない。どこが違うの?」
「小売業の利益率はどれくらい?」
「小売業の市場規模は?伸びている業界なの?」
このようなよくある疑問を1つずつ解消しながら、小売業の詳細や売上高ランキング・市場規模などをわかりやすく解説します!
小売業者とは?
小売業者とは、
- メーカー
- 農家などの生産者
- 卸売業者
から仕入れた商品を最終消費者(商品を実際に使う人)に販売する業者のことです。
「小売業とアパレル業って何が違うの?」
という質問がよくありますが、小売業界の中にコンビニ業界やアパレル業(正確にはアパレル小売業)などが入っているイメージです。
とにかく、商品を使う人に直接商品を売る業者は小売業者に含まれます。
小売業者に該当するのは?
小売業者に該当するのは普段の生活で利用する身近なお店ばかりです。
コンビニエンスストア
コンビニエンスストアは私たち消費者にとっては最も身近な小売業者ですね。
- セブンイレブン
- ファミリーマート
- ローソン
- ミニストップ
- NewDays
などが有名です。
スーパーマーケット
地域に密着して、食料品や日用雑貨を扱うのがスーパーマーケット。
夕飯の材料を買いにいく時にお世話になっている人が多いんじゃないでしょうか?
- イオン
- イトーヨーカドー
- マックスバリュ
- マルエツ
- いなげや
- オーケーストア
- 業務スーパー
などがよく見るお店ですね。
ドラッグストア
昔はドラックストアと言えば、薬を売るお店のイメージだったのですが(私だけかもしれません(笑))、、、
今のドラッグストアは食料品や化粧品などの日用雑貨の品ぞろえも豊富で、コンビニ代わりに使っている人が多くなっています。
- ツルハドラッグ
- ウエルシア薬局
- マツモトキヨシ
- トモズ
などが有名です。
デパート(百貨店)
デパート(百貨店)とは、食料品からファッションブランドなど扱うジャンルは幅広く、豊富な品ぞろえで、レストランなどを併設している大型のお店のことを指します。
北海道フェアなどの時期別にフェアを実施していることも多いですね。
- 高島屋
- 三越伊勢丹
- そごう・西部
- 東急百貨店
などが有名です。
ホームセンター
日曜大工用品(DIY)や園芸用品、生活雑貨などを幅広く扱う大型小売店のことをホームセンターと言います。
- ビバホーム
- カインズ
- 島忠
などが有名です。
家電量販店
量販店というのは、大量に商品を仕入れて、大量に安く販売する方針の小売店のことを指します。
「量販店」という名称をよく聞くのは、家電量販店ですね。
スマホやPC、レンジ・洗濯機・冷蔵庫などの家電をメインに扱っている量販店です。
これも最終消費者に商品を売っているため、小売業者に該当します。
- ヤマダ電機
- ヨドバシカメラ
- ノジマ
などが有名です。
小売業者に該当するのはどれも身近なお店ばかり
このように小売業者に該当するのは普段の生活でよく見かける身近なお店ばかりですよね!?
小売業者の区分けの仕方によっては、まだまだ種類がありますが、
「こういうお店が小売業者なんだな。」
と少しはイメージがつけば、まずはOKです。
小売業の業態の種類は?
小売業は同じ商品を販売するにしても、販売の仕方によって業態が分かれます。
店頭販売
小売業の伝統的な形態が店頭販売です。
小売業と言えば、店頭販売が一番イメージしやすいんじゃないでしょうか?
地域に店舗を構えて、商品を直接消費者に販売する方式です。
コンビニような小さな店舗から百貨店まで様々な店舗の形があるのも小売業の1つの特徴と言えます。
通信販売・ネット販売
店舗を構えずに販売する形式が通信販売やネット販売です。
昔はテレビショッピング(ジャパネットたかたをイメージしてください)などを電話で注文を受け付ける通信販売が多かったです。
しかし、インターネットの発達により、ネットで商品を購入する人が劇的に増えてますので、今の主流は断然ネット通販です。
ネット通販は、楽天市場にお店を出している店舗から商品を買った場合などをイメージするとわかりやすいですね!
訪問販売
販売員がそれぞれの家庭を訪問して販売する業態が訪問販売です。
例えば、ヤクルトレディが各家庭を訪問して、
「ヤクルトはいかがですか?」
と販売するスタイルが訪問販売です。
余談ですが、ヤクルトはこの訪問販売にかなりこだわっていますね。
「訪問販売で商品の価値をしっかり知ってもらって、毎日飲み続けて欲しいから」
というのが理由みたいです。
小売業の市場規模は?
小売業の市場規模は2018年で約145兆円と巨大な市場です。
※データ引用:あなたが「イオングループCEO」ならばどうするか?
しかし、上記のデータから読み取れるように、1990年代から2019年まで約30年間ほど横ばいの状態が続いています。
2018年が約145兆円なので、1996年のピークの時期に近づいていますが、それは訪日外国人の需要で盛り返しているからです。
しかし、いつまで訪日外国人の需要(インバウンド)による盛返しが続くかはわかりません。
人口減少が続いていく日本において小売市場は激しい競争が続くことが予想されます。
小売業で売上高が高い企業トップ5
小売業で売上高が高い企業を確認しましょう。
●小売業売上高トップ5(2018年のランキングです)
- イオン
- セブン&アイ・ホールディングス
- ファーストリテイリング
- ヤマダ電機
- 三越伊勢丹ホールディングス
となっています。
1位:イオン
イオングループはイオン株式会社とグループ企業を合わせると、なんと300を超える企業で構成する大グループ。
売上高はトータルで8兆円を超えています。
金融業の売り上げ等も入っているので、純粋な小売業の売り上げだけではありませんが、2位のセブン&アイ・ホールディングスの売上高よりも2兆円弱程度の差をつけています。
GMS(総合スーパー)事業がメインですが、それだけでなく、イオン銀行などの金融業やイオンモールなどのディベロッパー(開発事業)なども展開しています。
2位:セブン&アイ・ホールディングス
コンビニ業界で圧倒的な1位のセブンイレブンを展開するセブン&アイ・ホールディングスが2位です。
全体の売上高は6兆円超え。
セブン&アイ・ホールディングスの主軸はセブンイレブンを展開するコンビニ事業ですが、その以外にもイトーヨーカドや百貨店の西武そごうを展開しています。
意外に知られてないのが、ロフトやタワレコ(タワーレコード)もセブン&アイ・ホールディングスのグループ会社なんですよね!
3位のユニクロを展開するファーストリテイリングが2兆円強の売上高なので、イオンとセブン&アイ・ホールディングスがいかに圧倒的かがわかります。
3位:ファーストリテイリング
3位はユニクロを展開するファーストリテイリングです。
アパレル小売業界で圧倒的な1位であるファーストリテイリングの売上高は2兆円超え。
他の小売業の企業が苦戦するなか、ファーストリテイリングは年々売上高を伸ばしています。
4位:ヤマダ電機
4位は家電量販店業界でトップのヤマダ電機です。
ヤマダ電機は2019年12月に大塚家具を子会社することを発表して話題になりましたね。
ヤマダ電機は2011年ごろには売上高は2兆円を超えていましたが、2018年は1兆6千億円ほどと苦戦を強いられています。
今回の大塚家具の子会社化で流れが変わるか、注目していきたいところです。
5位:三越伊勢丹ホールディングス
5位は百貨店事業の売り上げが90%を超える三越伊勢丹ホールディングスです。
伊勢丹や三越、岩田屋などの百貨店事業を展開する三越伊勢丹ホールディングスの売上高は1兆1千億円超え。
ですが、2009年あたりは1兆4千億を超えていたので、苦戦を強いられていることは間違いなさそうです。
小売業の利益率はどれくらい??
小売業の利益率はどれくらいでしょうか?
本業の利益である売上高営業利益率で確認してみます。
上場している小売業者全体の売上高営業利益率の平均は4~5%程度です。
あんまり高くないですね。
これに上場していない中小企業等も含めるともっと低くなると予想されます。
先ほどの売上高トップ5の営業利益率を確認してみると
- イオン:2.5%
- セブン&アイ・ホールディングス:6.1%
- ファーストリテイリング:11.3%
- ヤマダ電機:2.5%
- 三越伊勢丹ホールディングス:2.4%
となっています。
※会社四季報や決算資料から計算してますので、多少誤差があるのはご了承ください。
売上高トップ5の企業でもそこまで営業利益率が高くないことがわかります。
ただ、その中でファーストリテイリングだけは10%を超えています。
また、前澤社長が退任したZOZOの利益率は20%を超えていますし、ニトリも15%以上をコンスタントにキープしています。
なので、小売業界の利益率は本当に企業ごとの収益性によって大きく異なることがわかります。
卸売業との違いは?
最後に、よく混同されやすい卸売業との違いについてです。
「小売業と卸売業って何が違うの?」
と以前の私は思っていましたが、実は簡単なことでした。
「誰に対して売るか?」
この違いだけです。
卸売業は小売業者に物を売る
卸売業者はメーカー(生産者)から商品を仕入れて、それをコンビニや百貨店などの小売業者に売ります。
小売業者はその仕入れた商品を自分たちでは使いませんよね?
店頭に並べて、私たち消費者に売るために、商品を仕入れます。
- 小売業者に商品を売る⇒卸売業者
- 消費者に商品を売る⇒小売業者
という違いです。
卸売業者がいるメリットは?必要性は?
卸売業者はメーカーから商品を仕入れ、それに手数料を加えて小売業者に販売して利益を得ます。
これを知ると、
「じゃメーカーから直接コンビニなどの小売業者が仕入れればもっと商品が安くなるじゃん!」
と思ってしまいますが、
例えば、セブンイレブンには色んなメーカーの商品が揃っていますよね?
それを各メーカーごとに発注していたら恐ろしい程発注作業が大変です。
しかも、1店舗ごとに大した量は発注できないので、発送するメーカーだってめちゃくちゃ大変になります。
そういう不便を解消するのが卸売業者です。
卸売業者が色んなメーカーからニーズのある商品を大量に仕入れて、それをコンビニやスーパーなどの各小売店ごとに販売してくれます。
そのため、小売店はいちいちメーカーごとに発注を掛けなくていいし、メーカーもある程度の量をまとめて売ることが出来るので楽です。
なかなか普段コンビニなどで商品を買っている私たちからすると卸売業者ってのは馴染みのない業者ですが、結構重要な役割を果たしてくれているのです。
誰が顧客なのか?で違いを把握しよう
まとめると、小売業と卸売行の違いは「誰が顧客なのか?」が大きな違いです。
小売業は実際に商品を使う消費者が顧客。
卸売業は小売業者が顧客となり、誰を顧客として扱うのかに大きな違いがあると言えます。
関連記事はこちら!
卸売業とは?商社・小売業との違いから市場規模・利益率までわかりやすく解説!
売上高総利益率とは!?計算方法や目安、改善方法までわかりやすく解説!