限界利益とは?営業利益との違いまでわかりやすく解説!

今回は限界利益について。

会計の勉強をしたり、経営や商売をしているとよく目にする<限界利益>という用語。

管理会計において限界利益の概念を理解しておくことはめちゃくちゃ重要です。

ただこの限界利益は

「なんとなくわかるけど、説明できない、、、」

という方が多いのではないでしょうか?

会計で使われる用語は、何となく知っている程度じゃ実際の仕事では活用できません。

周りの人に明確に説明できるぐらいになって初めて本当に理解しているといえます。

本記事では限界利益と営業利益との違いや損益分岐点売上高の関係まで解説したいと思います。

限界利益とは??

限界利益とは商品1個を販売した時に発生する利益のことです。

この限界利益は商品が生み出す付加価値そのもの。

  • 材料を仕入れ、自社工場で加工した製品を売る
  • ゆったりとした落ち着いた空間を提供しながら、最高の接客でコーヒーを飲んでもらう
  • 仕入れた商品の中で専門のスタッフがお客さんに合うものをコーディネートしてあげる

このように仕入れた商品や材料から、企業努力によって価値を高めた商品を売って得た利益。

これが限界利益です。

限界利益は商品が儲かるかどうかの判断基準やお店の利益がきちんと出るかの計算に活用されます。

逆に限界利益を理解していなければ、どれぐらい売上を上げればお店全体の利益が出るかが把握できないまま経営をすることになってしまいます。

限界利益の計算方法は?

限界利益は販売価格から変動費を引いて求めることが出来ます。

限界利益=販売価格ー変動費

上記式で計算することが出来ます。

商品の販売価格は実際にお客さんに販売している商品の値段のことなのでわかりやすいですよね?

300円のコーヒーで変動費が50円だったら、

コーヒー1杯当たりの限界利益=300円(販売価格)ー50円(変動費)=250円

と計算することが出来ます。

では、変動費とはいったい何でしょうか?

変動費とは?

変動費は、売上に比例して増減する費用のことです。

商品の仕入れ代や材料費などが変動費に該当します。

「売上によって変動する費用=変動費」

と考えておくと理解しやすいです。

例えば、1杯300円のコーヒーがあるとします。

そのコーヒーの材料はコーヒー豆やカップ、包装紙など。

コーヒー1杯を売るために必要な材料費はコーヒー豆代など、全部合わせて50円だとします。

この材料はコーヒー1杯が売れるたびに使用されるので材料費のトータルは50円ずつ増えていきますよね?

そのため、この50円がコーヒー1杯あたりの変動費になります。

変動費は他社が作った価値だと考えられます。

商品の仕入れ代は、他社が作った商品に対して代金を支払っていますよね?

限界利益は商品1個当たりの付加価値(自社で手間暇かけて作った価値)なので、他社が作った価値は差し引く必要があります。

そのため、限界利益の計算の時には、販売価格から変動費を引くのです。

変動費に当てはまるものは?

変動費には、材料費や外注費、販売手数料などが当てはまります。

実務上は計算をわかりやすくするために

  • 材料費
  • 外注費(配送費や販売手数料など含む)

などの売上に比例する代表的な費用のみを変動費とみなす。

そして、それ以外を固定費とする会社が多いようです。

限界利益が黒字でも、お店が赤字の場合がある

限界利益は「商品を売った時に利益が出るか?」の基準になります。

しかし、

「じゃ限界利益が出ているかどうかだけを見ればいいのか!」

と早合点してはいけません(笑)

限界利益が黒字になっていれば、それだけでいいわけではないのです。

限界利益は商品を1個売るたびに発生する利益のことなので、限界利益が黒字なら商品を売れば売るほど利益が増えていきます。

しかし、それはあくまで商品単体で見た場合の利益。

そのため、

「限界利益が黒字なのにお店全体は赤字、、、」

という場合が大いにあり得ます。

なぜなら、限界利益は売上に比例する費用=変動費は差し引きますが、お店の家賃などの固定費は考慮していないからです。

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限界利益と営業利益の違いは?

では、お店全体の本当の利益を知るにはどうすればいいのでしょうか?

そのためには、営業利益と限界利益の違いを知る必要があります。

営業利益とは?

営業利益は会社の本業で稼いだ利益のことです。

カフェでいえば、実際のカフェ営業で稼いだ利益のこと。

この営業利益がプラスであれば、お店の営業ではしっかり利益が出ている=黒字ということになります。

限界利益が黒字だけでは、この営業利益が黒字がどうかはわかりません。

本当の意味で利益が出ているというには、営業利益を黒字にする必要があります。

だから、限界利益が黒字だけではだめなのです。

限界利益と営業利益の違いは固定費を差し引くかどうか

限界利益と営業利益の違いは、売上に関係なく発生する費用=固定費を考慮するかどうかです。

営業利益=限界利益ー固定費

で計算することができます。

商品が1個売れようが、10個売れようが掛かる費用が変わらないものが固定費でしたね?

例えば、先ほどの1杯300円のコーヒーを売っているカフェで見ると

  • コーヒー1杯:300円
  • 変動費(材料費):50円
  • コーヒー1杯の限界利益=300円-50円=250円
  • 固定費=家賃60万円+10万円(人件費)=70万円

の場合、1ヶ月でコーヒーを2000杯売ったとします。

その場合の1ヶ月間の限界利益は

  • 250円×2,000杯=50万円
  • カフェの営業利益(損失)=50万円(限界利益総額)-70万円(固定費)=-20万円

となり、限界利益は黒字なのに、営業利益はマイナスになってしまいました。

でも、限界利益自体は黒字なので、もっと頑張って1ヶ月で3000杯売ったとしたらどうでしょうか?

  • 限界利益総額=250円(1杯の限界利益)×3,000杯=75万円
  • カフェの営業利益=75万円(限界利益総額)-70万円(固定費)=+5万円

となり、営業利益も黒字になりました。

このように営業利益と限界利益の違いは固定費を考慮するかどうかなのです。

限界利益が黒字なら商品が売れるほど、営業利益は黒字に近づくor大きな黒字になっていく、ということ。

逆にいうと、限界利益が赤字だと、商品を売れば売るほど営業利益は赤字になっていくのであり得ないということになります

限界利益と損益分岐点売上高の関係

限界利益から固定費を引いた営業利益が黒字であればお店が黒字になることはわかりました。

では、どれくらいの売上になれば

「限界利益も黒字で営業利益も黒字!」

という状態になるのか?

この分岐点を知るにはどうすればいいでしょうか?

このお店が「赤字にも黒字にもならない売上高」のことを損益分岐点売上高といいます。

なんとなく難しい感じの用語ですが、

「赤字と黒字の境目の売上合計金額」

とイメージしておくといいです。

損益分岐点売上高を超えた売上を上げることが出来れば、お店は黒字になります。

この損益分岐点売上高を知るには、限界利益率とお店の固定費を知る必要があるのです。

限界利益率とは!?

    限界利益率は商品1個当たりに含まれている限界利益の割合です。

    そのため、限界利益率を出す計算式は

    限界利益率=商品の限界利益÷商品の販売価格×100%

    となります。

    例えば、1杯300円のコーヒーを売っているカフェの場合

    • 1杯の販売価格:300円
    • 変動費(材料費):50円
    • 1杯の限界利益:250円

    だったので

    限界利益率=250円(限界利益)÷300円×100%=83.3%

    となります。

    これがコーヒー1杯の限界利益率となります。

    もしコーヒーの材料費が100円だったら

    ・1杯の販売価格:300円
    ・変動費(材料費):100円
    ・限界利益:200円

    限界利益率=200円÷300円×100%=66.7%

    となり、限界利益率が大きく下がります。

    つまり、限界利益率は変動費の割合と反比例するのです。

    限界利益率が高い商品というのは、自社やお店が作り出した付加価値が高い商品と言えます。

    損益分岐点売上高を求める

    限界利益率がわかったので、あとは固定費がわかれば損益分岐点売上高がわかります。

    先程の例では、1杯300円のコーヒーを売るカフェの固定費は人件費や店の家賃などを含めて月に70万円掛かっています。

    そのため、お店の利益がこの70万円を上回らないと赤字です。

    「お店を赤字にしないために、コーヒーを何杯売ればいいのか?」

    それを知るために損益分岐点売上高を求めるのです。

    限界利益図表

    損益分岐点売上高をわかりやすく把握するには、限界利益図表が便利です。

    下記の図は先程の例のカフェの損益分岐点売上高を「見える化」した限界利益図表です。

    • コーヒー1杯の販売価格:300円
    • コーヒー1杯の限界利益:50円
    • 限界利益率:83.3%
    • 固定費:70万円

    でした。

    損益分岐点売上高(カフェ)

    限界利益は売上に比例して増える変動費を除いた金額です。

    商品1個を売り上げれば増加していく利益なので、この限界利益がお店の固定費70万円を超えれば利益が出ますよね?

    限界利益が固定費と同額(今回だと70万円)に達した点を損益分岐点と言います。

    そして、その時の売上高が損益分岐点売上高というのです。

    損益分岐点売上高を求める計算式は?

    では、限界利益の合計=70万円を作るためにはコーヒーを何杯売ればいいでしょうか?

    まず必要な売上高=損益分岐点売上高を求めます。

    損益分岐点売上高を求めるには下記の計算式

    損益分岐点売上高=固定費÷限界利益率

    で求めることが出来ます。

    カフェの例で見れば

    損益分岐点売上高=70万円(固定費)÷83.3%(限界利益率)=84.033万円

    となるので、約84万円とします。

    このカフェがお店の利益を出すには84万円の売上を得る必要があるとわかります。

    では、この84万円の売上を上げるには、コーヒーを何杯売ればいいでしょうか?

    84万円(必要な売上)÷300円(コーヒーの販売価格)=2,800杯

      つまり、月に2,800杯のコーヒーを売れば利益が出ることになります。

      限界利益の合計金額=2,800杯×250円(限界利益)=70万円

      となり、固定費70万円とぴったり同額になりますね!

      このように限界利益がわかれば、限界利益率がわかります。

      限界利益率と固定費がわかれば損益分岐点売上高を計算することができます。

      損益分岐点売上高がわかれば、お店の商品を何個売れば利益が出るのかが把握できるのです!

      このように限界利益は損益分岐点売上高を計算するための土台となります。

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