
マーケティングやスタートアップ界隈でよく聞く「AARRR(アーモデル)」。
でも「言葉は聞いたことがあるけど、どう活用するの?」「なぜ重要なの?」と疑問に思う方も多いかもしれません。
この記事では、AARRRモデルの意味・各ステップの具体例・ビジネスでの活用法まで、初心者にもわかりやすく解説します。
目次
AARRR(アーモデル)とは?
定義と基本概念
AARRRモデルとは、顧客がサービスや商品を知ってから、ファン化・収益化していく一連のプロセスをフレームワーク化したものです。
アメリカの起業家デイブ・マクルーア氏が提唱し、グロースハックの基本モデルとして広く使われています。
5つの頭文字を取って「AARRR(アーモデル)」と呼ばれます。
- A:Acquisition(獲得)
- A:Activation(活性化)
- R:Retention(継続)
- R:Referral(紹介)
- R:Revenue(収益化)
この流れを意識的に改善していくことで、ビジネス全体の成長を加速できます。
各ステップを具体的に解説
Acquisition(獲得)【認知・集客】
顧客にサービスの存在を知ってもらい、実際にサイトやアプリに訪問してもらう段階です。
具体例:
- Google広告、SNS広告
- SEOでブログ記事から集客
- 展示会出展やメディア露出
指標例:
- Webサイト訪問数
- 広告クリック数
- アプリインストール数
Activation(活性化)【初回体験の満足】
サービスや商品を実際に使って「良い体験」をしてもらう段階です。
ここで離脱されると次のステップに進めません。
具体例:
- アプリ登録後に初回チュートリアルが完了する
- ECサイトで初回購入まで至る
- SaaSの無料トライアルで主要機能を体験
指標例:
- 会員登録完了率
- 初回アクション完了率(例:初投稿、初購入)
Retention(継続)【継続利用】
顧客がサービスを継続的に使い続けてくれる段階です。
ビジネスの安定性や成長にはこの継続率が非常に重要です。
具体例:
- アプリの継続ログイン
- 定期的なECサイトでのリピート購入
- SaaSの有料プラン継続率
指標例:
- リテンション率(1ヶ月後・3ヶ月後・6ヶ月後など)
- 継続購入率
Referral(紹介)【口コミ・紹介】
満足した顧客が周囲にサービスを紹介してくれる段階です。
広告に頼らず新規顧客が増える理想的な状態。
具体例:
- 友達紹介キャンペーン
- SNSでのシェアを促す仕組み
- 高評価レビューの投稿促進
指標例:
- 紹介経由の新規登録数
- SNSシェア数
- クチコミ投稿数
Revenue(収益化)【収益獲得】
最終的にサービスが売上・利益につながる段階です。
ここまでの各段階が整っていて初めてしっかり収益化できます。
具体例:
- 商品購入完了
- サブスクリプション登録
- 課金アイテム購入
指標例:
- 売上金額
- 顧客あたり平均単価(ARPU)
- LTV(顧客生涯価値)
- 具体的なビジネス事例
例1:ECサイト
- Acquisition:Google広告・Instagramから流入
- Activation:初回購入までのUX改善
- Retention:定期的なメールマーケティングでリピート促進
- Referral:購入者にレビュー投稿を依頼・紹介キャンペーン実施
- Revenue:購入単価アップのためのアップセル施策
例2:SaaS(BtoB向けソフトウェア)
- Acquisition:展示会・オウンドメディア経由の資料請求
- Activation:無料トライアル開始後にオンボーディング支援
- Retention:カスタマーサクセス部門が定着支援
- Referral:利用企業の事例紹介記事を拡散
- Revenue:有料プランへのコンバージョンとアップセル
AARRRモデルがなぜ重要なのか?
ビジネス全体を「見える化」できる
AARRRは顧客の行動プロセスを分解して分析できるため、どこがボトルネックかがわかります。
- 獲得はうまくいっているが継続率が低い → UX改善が必要
- 継続は良いが紹介が全くない → 紹介インセンティブを検討
- アクティベーションが弱い → 初回体験の改善
このようにデータを元に改善の優先順位が明確になるのが大きなメリットです。
PDCAサイクルを高速で回せる
各ステップごとに施策を打ち、改善→検証→再実行というサイクルが回しやすくなります。
特にスタートアップや新規事業では、仮説検証型の成長戦略に非常に役立つフレームワークです。
どこで確認できる?
AARRRに関連する指標は、自社のGoogle Analytics・CRM・BIツールなどで確認できます。
- Google Analytics:Acquisition、Activation、Retention
- CRM:Retention、Revenue、Referral
- MAツールやアンケート:Referralの満足度把握
まとめ
AARRR(アーモデル)とは、顧客の行動を5つのステップに分けて成長を設計するフレームワークです。
- Acquisition(獲得)
- Activation(活性化)
- Retention(継続)
- Referral(紹介)
- Revenue(収益化)
自社の事業やサービスにこの視点を取り入れることで、どの段階が強く、どこが改善余地があるかが明確になります。
ニュースや社内会議で「AARRRを意識した施策設計が大事」と聞いたときは、ぜひこの記事の内容を思い出して活用してみてください。
よりデータドリブンな成長につながるはずです。