「今やるべきこと」に追われてばかりいると、後手後手で仕事をしてしまっていた、、、
そんな経験をしたことはありませんか？
ビジネスの現場では、「数手先を読む力」が極めて重要です。
目の前のタスクだけでなく、「その先に何が起こるのか？」「次のステップでは何が求められるのか？」を意識することで成果の質が大きく変わってきます。
この記事では「数手先を読む仕事術」の重要性を営業・企画・マネジメントなどあらゆる実務の具体例を交えて丁寧に解説します。
目次
数手先を読むとはどういうことか？
将棋や囲碁などでよく使われる「先を読む」という表現。
これをビジネスに置き換えると、「この業務の先に何が起こるかを想定し、今の判断や行動に反映させる力」と言い換えられます。
例えば：
- 営業で提案書を出す前に、相手の社内稟議フローまで想定して資料を準備
- システム開発で仕様変更の可能性を見越して設計に柔軟性を持たせる
- 商品企画で数ヶ月後の販促・供給体制まで見据えてリリース時期を調整
目の前の1手だけではなく、そこから何が続くかを考える。
それが「数手先を読む」ということです。
具体例① 営業で「次に相手がすること」を考える
ある営業担当者がクライアントにサービスの提案書を渡すとします。
数手先を意識する場合は下記のように考えます。
- この資料は誰が見るのか？（担当者だけでなく、決裁者や担当者の上司も読む可能性がある）
→資料がひとり歩きして、決済者や担当者の上司に渡った際でも問題ないように、背景までわかる内容を追記しておこう - 予算取りはいつか？
→検討期間まで考えて相手の予算検討MTGの10日前までには資料提出を提出しておこう - 質問されたり、懸念されそうな点や反論は？
→先にFAQや説明内容を追加して、質問を先出しで潰しておこう。
こうした読みがあると、提出した段階ですでに先方の社内調整が進みやすくなり、決裁スピードが加速することもあります。
一方で「とりあえず説明した」「あとは相手次第」と考えていると、相手から懸念点を指摘されたりすると、進捗が滞りやすくなります。
具体例② 企画で「運用・改善フェーズ」まで設計する
新しいサービスを企画する場面で、目の前のローンチだけに集中していませんか？
数手先を意識する場合は下記のように考えます。
- リリース後にどんな問い合わせが来るか？
→事前にヘルプページを用意して問い合わせを先出しで潰しておこう - 初期ユーザーがどこで離脱するか？
→離脱しやすいポイントに離脱を防ぐ工夫を追加しておこう - 運用工数はどれくらいかかりそうか？
→あまりに運用工数が掛かりそうな場合は機能の追加方法を再検討しよう
といった観点まで含めて設計します。
たとえば、あるアプリの機能追加を行う際、数手先を考えると「ユーザーの習慣が変わるかもしれない」→「FAQを変更しておこう」「通知タイミングを再設定しよう」といった“準備の質”が変わってきます。
運用することまで考えずに機能追加をしてしまうと、「運用がこんなに大変なら、機能追加しなきゃよかった」ということもあり得ます。
具体例③ マネジメントで「数か月先の成長」をデザインする
チームをマネジメントする立場では、「今の仕事」だけでなく、「数ヶ月後にどう成長していてほしいか？」を常に描いておくことが重要です。
たとえば、新人に簡単な業務だけを割り振っていては、自立的な動きは育ちません。
次のフェーズでどんな力が求められるかを先に考え、
- 段階的に難易度を上げた仕事を任せる
- 一定期間で振り返りの場を設けて考える力を鍛える
- 先輩とのセット業務から徐々に一人立ちへ
というように、時間軸を意識したマネジメントが可能になります。
数手先を読むメリットとは？
数手先を読んで仕事をするメリットとしては下記が挙げられます。
- 手戻りが減る
→ 同じ作業のやり直しを防げる - ミスが減る
→ 起きそうなミスは予め推測して対策を打っておける - 上司や周囲からの信頼が上がる
→「気が利く」「段取りが良い」と評価される - 仕事の成果が出る
→先を読んで仕事をする方が圧倒的に仕事がスムーズで成果が出やすい
仕事のスピードや成果の差は「手の早さ」ではなく「先読みの深さ」で生まれることが多いのです。
数手先を読んで仕事をするために意識すべきこと
数手先を読んで仕事をするために下記を常に意識しましょう。
- 常に「このあとどうなる？」を自問する
- 自分の仕事の先にいる人を想像する
- 失敗やトラブルを振り返り、「あの時、どう想定しておけばこれを防げたか？」を考えて、次の先読みに活かす
- 予定や工程表を“逆算”で組んでみる
- 先輩や上司が「何を意図して仕事をしているか？」を観察する
習慣化すれば、数手先を読む力は誰でも身につけることができます。
まとめ
数手先を意識するとは、目の前の行動の“先にある未来”を想定しながら動くこと。
それはただの段取りや要領の良さではなく、「本質を見抜く思考力」であり、「周囲を先回りする行動力」です。
- 営業なら、相手の社内フローを読む
- 企画なら、導入後の運用や改善を見据える
- マネジメントなら、メンバーの半年後を描く
この思考はどんな職種・どんな業種にも活かせます。
数手先を読んで仕事をする人はどんな会社でも活躍できるはずです！
目の前の一手を大切にしながら、その先の二手、三手を意識する習慣をつけてみてください。
きっと、仕事の質とスピード、信頼度が確実に変わってくるはずです。
