
「あの人、仕事できるよね」と言われる人と、なぜか評価されないの違いって何だと思いますか?
実は、その差の大部分は「報連相」にあるんです。
私自身、コンサルタント時代から現在に至るまで、数多くの上司や部下と接してきましたが、本当に仕事ができる人は報連相のレベルが高い人が多かったです。
逆に言えば、報連相のレベルを高めるだけで、あなたの仕事の評価はかなり変わります!
今回は、私の実体験を踏まえて、上司から「この人はできる!」と思われる報連相のコツを、具体例とともにお伝えします。
目次
なぜ報連相がそんなに重要なの?
まず、なぜ報連相がこれほど重要なのかを理解しましょう。
私自身、上司になってから痛感したことですが、部下が複数人いたら、それぞれの進捗や課題を把握する必要があります。
これが結構、時間もタスク負荷も掛かるんです。
その中で、いちいち「あれはどうなった?」「これは大丈夫?」と確認しなければならない部下と、必要な情報を適切なタイミングで報告してくれる部下では、印象が全然変わります。
報連相は単なる業務報告ではなく、上司からの信頼を獲得するための重要なツールなんです。
【報告編】相手目線で考える報告術
報告ですごく大事なのは①相手は誰か?②何を知りたがっているか?、この2点を意識して報告することです。
まずは具体例で見てみましょう。
ダメな報告の例
まずはダメな報告例から。
お疲れ様です。
A案件の進捗を報告します。
順調に進んでいます。
以上です。
これはよくある報告ですが、上司からすると
- 「順調って具体的にどういうこと?」
- 「スケジュールは守れそう?」
- 「何か課題はない?」
と疑問だらけになってしまうはずです。
もちろん、重要度の低いプロジェクトやタスクの報告であれば、これで問題ない場合もあります。
ただし、報告後に上司から色々と細かく質問された場合は、「報告すべき内容に漏れがあったかも、、、」と自分の報告内容を振り返った方がよいかもしれません。
良い報告の例
次は良い報告例です。
A案件の進捗をご報告します。全体の70パーセントが完了し、予定通り進んでいます。
設計フェーズは完了、開発フェーズは80パーセント完了で今週金曜までに終了予定、来週月曜からテストフェーズに入ります。
現在B社から仕様変更要求をいただいており、工数が2日程度増える見込みですが、バッファー内で対応可能なため納期への影響はありません。
来週のマイルストーンは、月曜のテスト開始と木曜の中間レビューです。
どうでしょうか?
だいぶ違いがあると思います。
良い報告は上司が知りたい情報が一目で分かるようになっています。
報告のコツ①:「相手が何を知りたいか」を想像する
私が部下を持つようになって気づいたのは、上司に評価されにくい人は「自分目線」でしか報告していないということです。
例えば、「トラブルが発生しました」という報告をする時、あなたはどう伝えますか?
ダメな報告
「システムでエラーが起きて、お客様から苦情が来ています」
この報告を受けた上司は「どの程度の影響?」「いつまでに復旧?」「謝罪は必要?」など、たくさんの疑問を抱きます。
良い報告
「システムエラーが発生し、お客様3社から苦情をいただいております。現在復旧作業中で、2時間以内の解決見込みです。お客様への謝罪は私の方で対応済みです。詳細は口頭でご説明したく、5分程度お時間をいただけますでしょうか?」
この報告なら、上司は状況を瞬時に把握でき、次のアクションも明確になります。
報告のコツ②:上司の懸念を先回りして報告する
仕事ができる人は、上司が気になっていることを予測して、自分から先に報告します。
私のコンサルタント時代の上司は、いつもプロジェクトの予算を気にしていました。
だから私は進捗報告の際、必ず予算の使用状況も一緒に報告するようにしていました。
「進捗は順調です。予算についても、現時点で全体の30%使用、予定通りのペースです」
たったこれだけで、上司は「この人は私が知りたいことを理解して報告してくれている」と感じ、信頼度がグンと上がりました。
【連絡編】効率的なやり取りの極意
次に報連相の連絡部分。
連絡のコツ①:1回のやり取りで完結させる意識
私のコンサル時代の上司からの教えで、最も印象に残っているのが「クライアントとの無駄なやり取りを減らせ」という言葉です。
これは社内の連絡でも同じです。
こんなやり取りをしていませんか?
部下:「明日の会議の件でご相談があります」
上司:「何の件?」
部下:「資料の件です」
上司:「どんな資料?」
部下:「プレゼン資料で、内容を確認していただきたくて」
上司:「いつまでに必要?」
部下:「明日の朝一番です」
上記例では、明日の会議のプレゼン資料内容の確認をしてもらうために3回以上ラリーが発生しています。
これが相手に小さなストレスをかけてしまう可能性が高いです。
私が今まで関わってきた経営者の方や上司の方はこれをストレスに感じる人が結構多かったです。
報連相が上手な人は下記のように一発で終わらせます。
部下「:明日の会議で使用するプレゼン資料について、内容をご確認いただきたいです。特に5ページ目の提案内容について、お客様の反応を予測してご意見をお聞かせください。明日朝9時開始のため、本日17時までにご確認いただけますでしょうか。」
上司:「OK。見ておくよ。」
この違いは歴然ですよね。
相手が疑問に思いそうなことを先回りして説明することで、通常4-5回かかるやり取りが1回で完了します。
連絡のコツ②:要件と時間を明確に伝える
上司に相談したい時、こんな連絡していませんか?
ダメな連絡
「お疲れ様です。ちょっと相談があるのですが、お時間いただけますか?」
忙しい上司にとって、これは「いつ」「どのくらい」「何について」が全く分からない、非常にストレスフルな連絡です。
良い連絡
「お疲れ様です。明日のA社プレゼンの内容について2点確認したいことがあります。5分程度で構いませんので、今日の16時頃にお時間いただけますでしょうか?」
このように要件と所要時間を明確にすれば、上司は時間を調整しやすくなり、話を聞き入れる準備もできます。
【相談編】信頼される上司への相談の仕方
上司への相談の仕方も、上司の負荷を減らすように意識する必要があります。
相談のコツ①:自分の意見を必ず添える
これは、本当に重要です。
多くの人が「どうすればいいでしょうか?」と上司に意見を丸投げしがちですが、それでは上司から「考える力がない」と思われてしまいます。
私の上司も「こういう課題が出ています。どうすればいいでしょうか?」と相談された場合、「自分でまず考えろ!」とよく怒っていました。
ダメな相談
「お客様から仕様変更の依頼が来ているのですが、どうすればいいでしょうか?」
良い相談
「お客様から仕様変更の依頼が来ています。私としては、工数が3日増えますが、お客様満足度を考えると受けた方が良いと思います。ただし、他の案件への影響を最小限にするため、B案件の一部を外注することを提案します。いかがでしょうか?」
この相談なら、上司は具体的なアドバイスができますし、「この人はちゃんと考えている」と評価してもらえます。
相談のコツ②:複数の選択肢を用意する
さらに上級者の相談方法は、複数の選択肢を用意して上司に判断してもらうことです。
「A案件の件でご相談です。以下3つの選択肢を検討しました。
- 現状の仕様で進める(リスク:お客様満足度低下の可能性)
- 仕様変更を受け入れる(コスト:+50万円、期間:+1週間)
- 代替案を提案する(Win-Win案:機能は70%実現、コストは+20万円のみ)
私は3番目の代替案が最適だと考えますが、いかがでしょうか?」
これなら上司は迷うことなく判断でき、あなたの思考力の高さも評価されます。。
まとめ:報連相で仕事のレベルを上げよう
今回紹介した内容は私が複数の会社で実践済みで効果検証済みの内容です。
報連相は「たかが報連相」ではありません。
これまでお伝えした通り、仕事レベルが高い人ほど報連相のレベルも高いです(もちろん例外はいると思いますが)
相手が知りたいことを、知りたい粒度で、適切なタイミングで報告できれば、クライアントや上司から「この人はできる」と思ってもらえる可能性が格段と上がります。
そして、それが出世や重要な案件獲得につながっていくのです。
まずは「相手がどう受け取るか?」を意識することから始めてみてください。
きっと、上司との関係性や仕事の評価が変わっていくはずです。
ぜひ、今回お伝えしたコツを活用して、ご自身の仕事をよりスムーズにしてくださいね!