今回は財務キャッシュフローについて!
キャッシュフローとは現金の流れのことですね!
企業の現金の流れを表すキャッシュフロー計算書には、
- 営業キャッシュフロー
- 投資キャッシュフロー
- 財務キャッシュフロー
の3つのキャッシュフローがあります。
今回はその中で企業の財務活動における現金の流れ=財務キャッシュフローについて解説します。
「財務活動っていったい何が中心なの?」
「どこに注目して分析すればいいの?」
という疑問を解消しながら、人に説明出来るレベルで理解しちゃいましょう!
財務キャッシュフローとは?
財務キャッシュフローは財務活動における現金の流れです。
会社の営業活動や投資活動を維持・促進するために、どの程度の資金(現金)が、どのように調達(返済)されたか、を表しています。
そもそも財務活動とは、
- 銀行からのお金の借入・返済
- 社債の発行・償還
- 株式の発行
などなど、会社がビジネスをする上で欠かせない活動のことを指します。
この財務活動によって会社の現金がどう増減したか、を表しているのが財務キャッシュフローということです。
財務キャッシュフロー:プラス・マイナスの考え方は?
では、財務キャッシュフローはどのような場合にプラスになり、どんな活動だとマイナスになるのか整理しましょう。
会社を経営していく中で、本業で現金をたくさん稼ぎ、資金に余裕があれば、銀行への借入金の繰り上げ返済や株主への配当を増やしたりしますよね?
この場合、銀行へお金を返すなどの行為で会社から現金が減っていますので、財務キャッシュフローにおいてはマイナスの要因になります。
逆に大規模な投資を行うためにお金が必要になれば、銀行からお金を借り入れたり、株式を発行したりして資金調達します。
この場合、銀行からお金を借りたりするので、会社の現金は増えますよね?
なので、これは財務キャッシュフローのプラスの要因になります。
なんとなくプラスの方が良いというイメージがありがちですが、そうでもないことがわかりますよね?(笑)
財務キャッシュフローの項目は?
次に財務キャッシュフローの項目を確認しましょう!
財務活動によるキャッシュ・フローは以下のもので構成されています。
- 短期借入れによる収入
- 短期借入金の返済による支出
- 長期借入れによる収入
- 長期借入金の返済による支出
- 社債の発行による収入
- 社債の償還による支出
- 株式の発行による収入
- 自己株式の取得による支出
- 配当金の支払額
などが挙げられます。
赤色が財務キャッシュフローのプラス、青色がマイナスの要因です。
借入金や社債による収入などの項目をチェックすることで、会社が資金不足の時に、どのように資金を調達しているかがわかります。
逆に、借入金の返済による支出や配当金の支払い額などの項目をチェックすることで、会社が余った資金をどのように活用しているかがわかるのです。
財務キャッシュフローはどう分析すればいい?
財務キャッシュフローにおいては、上記の項目別の金額をチェックするのがすごく重要です!
トータルの金額をチェックするよりも大事ですよ!
なぜなら、これらの項目別の金額をチェックすると、
会社が
- 必要な資金をどのように調達しているか?
- 余剰となった資金はどのように活用しているのか?
上記のことがある程度把握できて、その会社の資金繰りの状況が見えてくるからです。
もちろん、財務キャッシュフロー単体ではなく、営業キャッシュフロー・投資キャッシュフローと合わせて分析すると、より会社の状況や目指している方向性が見えてきます。
よくある3つのパターンを確認しましょう!
パターン①:経営が順調の場合
経営が順調な場合、本業の調子が良いので、営業キャッシュフローがプラスになります。
資金調達よりも、営業活動で稼いだ現金で
- 借入金の返済
- 配当金を増配して株主へ還元する
上記のことに積極的になる。
そのため、財務キャッシュフローはマイナスになります。
設備投資等にも資金を使えるので、投資キャッシュフローも基本的にマイナスです。
よって以下のパターンになります。
営業キャッシュフロー:+
投資キャッシュフロー:-
財務キャッシュフロー:-
パターン②:経営が不調の場合
経営が不調な場合は本業の調子が悪いです。
本業で本来稼がなければならないキャッシュ(現金)が稼げず、営業キャッシュフローがマイナスになっています。
営業キャッシュフローがマイナスということは現金が足りていません。
そうすると銀行からの借入金に頼らざるを得ないので、財務キャッシュフローは借入金による収入でプラスになります。
営業キャッシュフロー:-
投資キャッシュフロー:-
財務キャッシュフロー:+
この状況が何年も続くと資金繰りのために、借入金がどんどん増えてしまいます。
単年度だけなら問題ありませんが、こういった状況が常態化している会社は資金繰りが苦しいと捉えていいと思います。
パターン③:成長のために積極投資をしている会社
経営が順調で、本業で多くのキャッシュ(現金)を稼いでいる場合でも、財務キャッシュフローがプラスの会社があります。
それは将来の成長のために積極的に設備投資をするなど、投資に多額の費用を掛けている会社です。
将来を見越して、営業キャッシュフローのプラス分を超える額の投資をする場合は、銀行からの借入金や株式の発行などの財務活動で不足分の現金を賄う必要があります。
よって、3つのキャッシュフローは以下のパターンになります。
営業キャッシュフロー:+
投資キャッシュフロー:-
財務キャッシュフロー:+
このようなパターンもあるので、必ずしも財務キャッシュフローがプラス=経営が不調というわけではない、ということを覚えておいてください。
もちろんこれ以外にもっと色々なパターンはありますが、この3つのパターンを把握しておくと理解がしやすくなります。
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