当期純利益とは!?意味から計算方法、経常利益との違いまでわかりやすく解説!

今回は当期純利益について!

ビジネスマンであれば、貸借対照表損益計算書を読みこなして、会社の経営状態をきちんと把握する必要がありますよね!?

損益計算書の中でも最も重要な項目と言っても過言ではないのが当期純利益です。

今回は当期純利益の

「経常利益とはどこが違うの?」

「計算方法は?」

「当期純利益はどう分析すればいい??」

こんな疑問を解消しながら解説します!

当期純利益とは?

当期純利益はその事業年度における利益から法人税などのすべての費用と損失を差し引き、最終的に残った利益のことです。

当期純利益はその企業の1年間の経営の最終結果となります。

社長の評価に直結するのが、この当期純利益ですね。

会社の経営がうまくいっているかどうかを確認する基準として、当期純利益をチェックすることが非常に大切です。

当期純利益の計算方法は?

当期純利益の計算式は以下の通りです。

当期純利益=税引前当期純利益ー法人税等

税引前当期純利益から法人税等の税金を引くことで当期純利益を計算することが出来ます。

当期純利益の理解を深めるためには、

  • 税引前当期純利益とは?
  • 法人税等っていったい何?

この2つを理解することが必要です。

簡単に確認していきましょう。

税引前当期純利益とは?

税引前当期純利益とは、企業の平常時における利益=経常利益から突発的に発生する利益(特別利益)や損失(特別損失)を除いた利益のことです。

税引前当期純利益=経常利益+特別利益ー特別損失

税引前当期純利益は法人税等の税金を引く前の企業のその事業年度の収益を表しています。

法人税等とは?

法人税等とは、法人税、住民税及び事業税という科目名で上場企業などの損益計算書に記載される勘定科目のことです。

具体的には

  • 法人税・・・会社が稼いだ所得に掛かる税金
  • 法人住民税・・・会社の事業所がある都道府県や市町村に納付する税金
  • 法人事業税・・・一定の事業を行う法人や個人が都道府県に納付する税金

の3つのことを指しています。

個人にも税金が掛かるように、会社という法人にも税金が掛かるのです。

税引前当期純利益や法人税等についてはもっと詳しく知りたい方はこちら
税引前当期純利益とは?初めてでもわかりやすい税引前利益の解説!

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当期純利益と税引前当期純利益の違いは?

このように当期純利益を計算するためには、税引前当期純利益と法人税等の理解が必要です。

その2つを理解してしまえば、2つの利益の違いは明確ですよね!?

当期純利益と税引前当期純利益の違いは、法人税等の税金を引いているかどうかの違いだけです。

税引前当期純利益は文字通り、税を引く前の当期純利益なので、法人税を引く前の利益。

当期純利益は法人税等をすべて引いた後の会社の最終利益となります。

当期純利益と経常利益の違いは?

会社の経営分析で重要な指標の1つである経常利益と当期純利益の違いも把握しておきましょう!

当期純利益一定期間におけるその会社の最終的な経営成果を表しているに対し、経常利益平常時における会社の総合的な稼ぐ力を表しています。

経常とは平常という意味なので、経常利益は平常時における会社の利益となります。

そのため、その年だけに起こる臨時収入や災害などの損失は経常利益には含まれません。

一方、当期純利益には、その年に突発的に起きる損益(特別利益・特別損失)も計算に含みます。

更にそこから、法人税等の税金を差し引いてようやく当期純利益を出すことが出来るのです。

従って、会社の平常時における収益力をチェックしたいなら経常利益を見る必要があります。

会社の1年間の成果を見たいのであれば当期純利益をチェックしましょう。

経常利益について詳しくはこちら
経常利益とは?わかりやすい経常利益の解説!

当期純利益の分析の仕方は?

当期純利益はその年に起きる突発的な損益(特別利益・特別損失)も含めて計算されます。

そのため、営業利益や経常利益が前年比で成長していたとしても、災害による損失や所有株価が大きく下落したら、当期純利益の額が前年より大きく下がる場合があります。

逆に営業利益などの本業が赤字なのに、所有していた不動産を売却して大きな利益を得た場合は、当期純利益が黒字になります。

なので、その年の当期純利益だけを見て、

「この会社は利益が出ていない」

と判断するのは非常にリスクがあります。

そのため、当期純利益は過去5〜10年の推移をチェックする必要があります。

売上高が伸びていても、当期純利益が5年前の金額からほとんど変わっていなければ、要注意です。

また、今年度だけ当期純利益が大幅に減少しても、過去5年~10年の推移だと徐々に当期純利益が増加しているのであれば、その会社は順調に成長している可能性が高いです。

その場合はその年のみに突発的に起こった特別利益・特別損失の影響が大きくないか?を確認しましょう。

あくまで1つの目安ですが、当期純利益はその企業の売上高の3~3.5%あたりの金額になっていれば、妥当だと言えると思います。

当期純利益率についてより詳しく知りたい方はこちら
売上高当期純利益率(純利益率)とは?目安や計算・分析方法までわかりやすく解説

今回のポイント

今回のポイントは

  • 当期純利益は一定期間におけるその企業の最終的な成果
  • 当期純利益は社長の総合評価に直結する重要な指標
  • 企業の平常時の収益力を見るなら経常利益、その年の最終的な成果を見るなら当期純利益
  • 当期純利益は過去5~10年の推移をチェックして、その年のみの数値で判断しないことが大切!

以上です。

少しずつ理解しながら損益計算書を読みこなせるようになりましょう!

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