今回は、流動負債について。
貸借対照表における総資本の中の流動負債に関しての用語解説をしていきます。
まず貸借対照表の簡単な表を確認していきましょう!
【貸借対照表】
<資産> <総資本>
流動資産 (現金・受取手形・ 有価証券・売掛金、商品) | 流動負債 (買掛金・短期借入金) |
固定資産 (建物・機械・土地) | 固定負債 (長期借入金・社債) |
純資産 (資本金・利益剰余金・ 利益準備金) |
表の左側が資産で、会社が集めた資金をどのように保有しているかを表しています。
では、反対側の表の右側は何を表しているでしょう?
左側が集めた資金の保有の仕方なので、右側は会社がどんな方法で資金を集めているか、になります。
負債とは?
まず負債について確認しましょう。
負債とは、いつか返す必要のあるお金のことです。
この負債を返せない会社は倒産します。
貸借対照表の負債の部は、他人資本と呼ばれます。
株主や会社以外の他人から資金を調達しているので他人資本ってことですね。
負債の部は、2つの区分に分かれます。
流動負債と固定負債の2つです。
流動負債と固定負債の区別の基準は、返済の期間です。
決算日後1年以内に支払いや返済の必要があるものが流動負債。
決算日後1年を超える期限があるものが固定負債と分類されます。
今回はこの流動負債について説明します!
流動負債とは??
流動負債とは、決済日後1年以内に、支払いや返済する必要がある負債のことです。
1年以内というのが大事なところ!
この1年という期限で区分けするのは、流動資産と固定資産の区分けと一緒ですね。
●流動負債に当てはまるもの
- 短期借入金(たんきかりいれきん)
- 支払手形(しはらいてがた)
- 買掛金(かいかけきん)
- 未払金(みばらいきん)
- 未払法人税等(みばらいほうじんぜいとう)
- 預り金(あずかりきん)
などです。
1つずつ簡単に見ていきましょう。
<短期借入金>
短期借入金とは、銀行などからの借入金のうちの一つ。
借入金には1年基準というルールが適用されます。
1年以内に支払いの期限が来るものが短期借入金。
それ以上の支払い期限のものが長期借入金となります。
流動負債に含まれるのは、このうちの短期借入金の方。
<支払手形>
支払手形とは、商品を購入した場合に、代金を後ほど支払う約束を証明するために相手側に渡す手形のこと。
この手形取引の場合、現金のやりとりが商品購入時にはないことがポイント。
<買掛金>
買掛金とは、売掛金と反対のもの。
企業の主な営業取引において、商品を購入し、代金を後ほど払うと約束した場合のその代金のことです。
「あれ?支払い手形と買掛金って何が違うの?」
と思いませんか?
そうです!
あまり違いはありません。
支払手形と買掛金の区別は、手形があるかどうかです。
手形があれば支払手形、なければ買掛金になります。
<未払金>
未払金とは、本来の営業取引以外の非継続的な取引から生じる債務のことです。
未払金と買掛金の区別がわかりにくいかもしれないので、例を挙げます。
例えば、小売業で洋服を売っている。
仕入先から洋服を購入して、代金を翌月末に請求書払いする場合。
洋服の仕入れなので、これは本来の営業取引ですよね?
本来の営業取引での代金後払いは買掛金に分類されます。
なので、この例では買掛金となります。
一方で、本業の取引以外での代金後払いは、この未払金に分類されます。
逆に店内の備品が壊れてしまって、工務店に修理をお願いした。
その修理代を月末に払う、という場合の支払う代金は未払金となります。
工務店に修理をお願いするのは、継続的な取引ではないですよね?
本来の営業取引でもない。
なので、これは買掛金にはならず、未払金として分類されます。
<未払法人税等>
未払法人税等はわかりやすいですね。
その会社の当期の利益に対する法人税、住民税、事業税でまだ支払っていないもののことです。
<預り金>
預り金とは、給料から天引きした源泉所得税や社会保険料でまだ国に納めていないもののことです。
国に納めないといけないお金なので、その会社のお金ではない。
だから負債に入ります。
今回のポイント
今回のポイントは、
- 負債とは、いつか返す必要のあるお金のこと
- 流動負債と固定負債の区別は返済期限が1年以内であるかどうか?
- 流動負債の中には短期借入金や買掛金等が含まれる。
以上です!
流動資産や固定負債と合わせて確認していけば、頭の整理がしやすくなりますよ!
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