今回はインタレスト・カバレッジ・レシオ(ICR)について!
インタレスト・カバレッジ・レシオは会社が倒産しないかどうかをチェックするための安全性分析の指標の1つ。
名称がわかりにくいので
「難しいんだろうな、、、」
と思っていましたが、実際はそうではありませんでした(笑)
安全性分析の財務指標には流動比率や当座比率などが有名ですが、インタレスト・カバレッジ・レシオも合わせてチェックしたい指標です。
このインタレスト・カバレッジ・レシオについて
- 「インタレスト・カバレッジ・レシオで何がわかるの?」
- 「計算方法は?」
- 「目安はどれくらい?」
- 「有名企業のインタレスト・カバレッジ・レシオはどれくらい?」
こんな疑問をお持ちの方が多いと思いますが、それを1個ずつ解消していきたいと思います。
インタレスト・カバレッジ・レシオとは?
インタレスト・カバレッジ・レシオとは、会社の借金に掛かる利息を支払う能力がどれくらいあるかを測るための指標です。
流動比率や当座比率などと同じで会社の安全性分析(倒産しないかどうか?)の1つに該当します。
インタレスト・カバレッジ・レシオという名称がわかりにくくて、とっつきにくいのですが(笑)、訳してみれば簡単になります。
インタレスト・カバレッジ・レシオ=Interest Coverage Ratioなので、
- インタレスト(Interest)=支払利息
- カバレッジ(Coberage)=全体をどれくらいカバーできているか
- レシオ(Ratio)=割合・比率
となるので、インタレスト・カバレッジ・レシオは
「支払利息全体をどれくらいカバーできているかの割合」
という意味になります。
インタレスト・カバレッジ・レシオで何がわかる??
インタレスト・カバレッジ・レシオをチェックすることで、会社が借金に掛かる利息を返済するのにどれくらい余裕があるかがわかります。
一般的に借金や社債などに掛かる利息は本業の利益である営業利益の範囲内でまかなう必要があります。
インタレスト・カバレッジ・レシオは
「払わなければならない支払利息に対して営業利益等が何倍多いのか?」
を表します。
そのため、インタレスト・カバレッジ・レシオの比率が高いほど支払利息に比べて多くの利益を稼いでいるので、会社の財務的に余裕があることを示しています。
つまり、インタレスト・カバレッジ・レシオが2倍の会社より、10倍の会社の方が財務的(資金繰り等)に余裕があるとわかるのです。
計算方法は?
インタレスト・カバレッジ・レシオは損益計算書の項目を見れば計算できます。
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)=(営業利益+受取利息+受取配当金)÷支払利息
となります。
本業の利益である営業利益に
- お金を貸すことによって得られる「受取利息」
- 株などを保有して得られる「受取配当金」
を加えた合計額を支払利息で割ります。
計算式の意味としては、
営業利益が支払利息ですべて無くなってしまう状態(営業利益=支払利息)を基準として、
「本業の利益である営業利益に受取利息や受取配当金を加えた合計額が、支払う必要がある利息の何倍か?」
ということを表しています。
インタレスト・カバレッジ・レシオの目安は??
インタレスト・カバレッジ・レシオが1倍の場合は、稼いだ営業利益が全て借金の利息の支払いで吹き飛んでしまっています。
さすがにそれでは借入金の返済もあるので危ないですよね?(笑)
なので、インタレスト・カバレッジ・レシオの目安は最低3倍以上必要で、優良企業の場合10倍以上あることが多いです。
ただし、これはあくまで全体的な平均の話になるので、業種によって目安は大きく変わります。
有名企業のインタレスト・カバレッジ・レシオはどれくらい?
では、有名企業のインタレスト・カバレッジ・レシオはどれくらいか確認してみましょう。
- セブンイレブンを運営する「セブン&アイ ホールディングス」:172倍
- ローソンを運営する「株式会社ローソン」:90倍
- ファミリーマートを運営する「株式会社ファミリーマート」:23倍
- コメダ珈琲を運営する「コメダホールディングス」:71倍
- 創業者の孫正義氏が有名な「ソフトバンクグループ」:2倍
- auで有名な「KDDI」:611倍
- ZOZOTOWNを運営している「株式会社ZOZO」:196倍
- 総合スーパーで有名な「イオン」:7倍
- 楽天市場で有名な「楽天」:1倍
多くの有名企業が5~10倍以上であるのに対し、ソフトバンクと楽天が3倍以下なのが目立ちます。
ソフトバンクは借入金を活用して成長を取る戦略ですし、楽天は携帯電話事業に参入し始めた段階で設備費用等で多額の借金をしているのが理由かもしれませんね。
まとめ
今回は会社の安全性分析の1つであるインタレスト・カバレッジ・レシオについてまとめました!
- インタレスト・カバレッジ・レシオは会社の借金に掛かる利息を支払う能力がどれくらいあるかを測るための指標
- この指標をみれば、会社が借金に掛かる利息を返済するのにどれくらい余裕があるかがわかる。
- 目安は3倍以上、理想は10倍以上
会社の安全性分析は複数の指標をチェックして総合的に判断する必要があります。
流動比率や当座比率、手元流動性などの指標と合わせて、インタレスト・カバレッジ・レシオをチェックしてみて下さいね!
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